リアワイパーをほとんど使用したことのないドライバーにとって、「リアワイパーは実際に必要なのだろうか?」と疑問に思うことがあるかもしれません。
しかし、リアワイパーは雨や雪の日に後方視界を維持し、安全性を高めるための重要な装備です。
この記事では、リアワイパーの重要性、車検(自動車検査登録制度)合格の条件、そしてリアワイパーの取り付けや取り外し方法について詳しく説明します。
車にリアワイパーがある理由を解説!
車にリアワイパーが設置されている理由は、前面ワイパーと同じように、雨や雪をガラス面から拭き取ることです。リアワイパーによって、バックミラーを通じた後方視界が向上します。
ただし、雨がほとんど降っていない場合には、一部のドライバーはリアワイパーを使用しないことがあり、また、一部の車種にはリアワイパーが搭載されていないため、「リアワイパーは不要だろう」と感じることがあるでしょう。
車のリアワイパーがなくても車検は通る
リアワイパーを取り外しても車検に合格できるという話を聞いたことがあるかもしれません。結論から言うと、リアワイパーがなくても車検を受けることは可能です。この理由は、道路運送車両法に規定された「道路運送車両の保安基準」(以下、保安基準)の第45条第1項に基づいています。
この項には、次のように記載されています。「自動車の前面ガラスには、前面ガラスの直前の視野を確保できるものとして、視野の確保に係る性能等に関し告示で定める基準に適合する自動式の窓ふき器を備えなければならない」とあります。
つまり、この規定によれば、ワイパー(自動式の窓ふき器)は前面ガラスの視界を確保するための装備として義務付けられており、リアワイパーは通常、車検の対象外とされているのです。
リアワイパーが原因で車検に通らないことはある?
リアワイパーは車検の対象外である一方で、リアワイパーに関連して車検に通らない場合も存在します。どのような状況か、以下で詳しく検討します。
- リアワイパーのゴムが著しく劣化している場合 保安基準には明記されていないリアワイパー自体は車検の対象外ですが、ワイパーゴムの問題は車検対象となることがあります。車検の検査項目に「ワイパーゴムの状態」が含まれており、ワイパーゴムが劣化していると、視界が確保できない可能性があるため、車検不合格になることがあります。
- リアワイパーの取り外しが改造と見なされる場合 車検では、車両の改造状況を確認します。改造の定義は明確ではなく、検査員の判断に依存します。リアワイパーが車検の対象外である場合でも、本来はリアワイパーが装備されていた車から取り外すことは「改造」と見なされる可能性があります。
- リアワイパーの取り外しによって危険が生じると見なされる場合 リアワイパーを取り外すと、車体に突起物が残ることがあります。保安基準の第18条第2項には、車両の外形が歩行者の安全に影響を及ぼすことがないように規定されており、突起物の存在は交通安全上の問題となり得ます。このため、リアワイパーの取り外しによる突起物が保安基準に適合しない場合、車検不合格になることがあります。
- 残された稼働スイッチが故障または改造と見なされる場合 リアワイパーを取り外した際、車内に残るリアワイパーの稼働スイッチが故障または改造と見なされる場合、車検の合格が妨げられることがあります。この場合、スイッチの除去などの対策が必要となるでしょう。
車のリアワイパーのワイパーブレードの外し方
リアワイパーのワイパーブレードを新品に交換するサイクルは、通常1〜2年ごとを目安とされています。ワイパーブレードは、ワイパーゴムをガラスに密着させる役割を果たす部品です。ワイパーを作動させた際に「ガタつきや異音がする」などの兆候が現れた場合、ワイパーブレードの交換を検討すべきです。
以下では、リアワイパーのワイパーブレードを外して新しいものに取り替える手順の一例を紹介します。 ※車種によって手順は異なることがあります。
ステップ1: ワイパーアームを起こしてワイパーブレードを外す
最初に、ワイパーアーム部分を持ってワイパーアームを上げます。
次に、ワイパーアームからワイパーブレードを外してください。ワイパーブレードを外す際に、窓ガラスを傷つけないように気を付け、ワイパーアームを布などで保護しておくことが重要です。
リアワイパーのワイパーアームとワイパーブレードの接続部には2つのタイプがあり、これらはメーカーによって「RLタイプ」「RSタイプ」とも呼ばれますが、どちらもクリップ状の形状です。ワイパーブレードの後部を持ち、反時計回りに回転させながら外してください。
ステップ2: ワイパーアームに新しいワイパーブレードを取り付ける
古いワイパーブレードを外したら、新しいワイパーブレードをワイパーアームに取り付けます。取り付けの手順はワイパーブレードを外すときの逆順です。これでワイパーブレードの交換が完了します。
車のリアワイパーのワイパーゴムの外し方
ワイパーゴムの交換サイクルは通常、6ヶ月から1年ごとが一般的な目安です。
ワイパーゴムには、裂けたり、ひび割れたり、変形したり、硬化したりする問題が発生した場合、またはワイパーを作動させた際に異音がしたり、拭き残しや拭きムラ、にじみがある場合など、これらの症状が見られる場合、ワイパーゴムの交換を検討することをお勧めします。
以下では、リアワイパーのワイパーゴムを自分で取り外して新しいものに交換する手順の一例をご紹介します。 ※車種によっては、ゴムの交換ができない場合もあるので、ご了承ください
ステップ1: 古いワイパーゴムの取り外し
ワイパーゴムを交換する手順では、最初にワイパーアームからワイパーブレードを外します。その後、ワイパーゴムの先端部をブレードのツメから外し、ワイパーゴムを引き抜きます。
ステップ2: 新しいワイパーゴムへの交換
新しいワイパーゴムを、引き抜いた側と逆向きに、ワイパーゴムの溝にしっかりと噛み合わせながら挿入します。ワイパーゴムがしっかりとロックされたら、挿入したワイパーゴムが歪んでいないかを確認し、問題がある場合は、ドライバーや同様の工具を使用してワイパーブレードに適切に合わせてください。
ワイパーゴムが取り付けられたら、ワイパーアームに再装着し、作業は完了です。